2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2024年5月
問28 (学科 問28)

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問題

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)試験 2024年5月 問28(学科 問28) (訂正依頼・報告はこちら)

金融派生商品の一般的な特徴等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • 取引の当事者間で、異なる種類の通貨について、元本を交換せずに金利のみを一定期間交換する取引を、クーポンスワップという。
  • 取引の当事者間で、同じ種類の通貨の異なる種類の金利を一定期間交換する取引を、金利スワップという。
  • 先物取引は、将来のあらかじめ定められた期日に、特定の商品(原資産)を現時点で取り決めた価格で売買することを約束する取引である。
  • オプション取引では、プット・オプションの買い手は、満期日において原資産の市場価格が権利行使価格よりも低い場合、通常、「権利行使価格で売る権利」を放棄することになる。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題はデリバティブ取引に関する内容です。

様々な金融商品のリスクを抑えることや

リターンを大きくする目的で行われる取引です。

そのため元となる金融商品にとセットで理解すると内容がわかりやすくなります。

選択肢1. 取引の当事者間で、異なる種類の通貨について、元本を交換せずに金利のみを一定期間交換する取引を、クーポンスワップという。

適切

クーポンスワップは異なる通貨の金利のみを交換するものです。

長期間の為替レートを固定できるため、

長期間の為替リスクを抑えることが可能になります。

選択肢2. 取引の当事者間で、同じ種類の通貨の異なる種類の金利を一定期間交換する取引を、金利スワップという。

適切

金利スワップは変動金利を固定金利に変更するなどの、

同じ通貨で異なる金利に交換することを言います。

選択肢3. 先物取引は、将来のあらかじめ定められた期日に、特定の商品(原資産)を現時点で取り決めた価格で売買することを約束する取引である。

適切

先物取引とは、購入する資産を決められた期日までに決められた価格で

売買することを約束した取引です。

決められた価格で売買するため価格変動リスクに備えることができます。

しかし、決めた買値よりも市場の売値が安くなった場合でも、

価格を変えることができないため損失が起こるリスクもあります。

選択肢4. オプション取引では、プット・オプションの買い手は、満期日において原資産の市場価格が権利行使価格よりも低い場合、通常、「権利行使価格で売る権利」を放棄することになる。

不適切

プット・オプションはある期日までに購入した資産を

一定の価格で売却する権利のことです。

市場価格が権利行使価格よりも低い場合は利益が上がるため

オプションを行使することになります。

逆に市場価格が権利行使価格よりも高くなる場合は

損失が出てしまうため、権利放棄を行います。

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02

この問題では、金融派生商品におけるクーポンスワップ、金利スワップ、先物取引、オプション取引について問われています。

 

選択肢1. 取引の当事者間で、異なる種類の通貨について、元本を交換せずに金利のみを一定期間交換する取引を、クーポンスワップという。

適切です。

クーポンスワップは、異なる通貨で金利のみを交換する取引です。

元本部分の交換は行いません。

 

【スワップの種類】

種類通貨交換するもの
通貨スワップ異なる通貨元利と金利
クーポンスワップ異なる通貨金利のみ
金利スワップ同じ通貨金利のみ

選択肢2. 取引の当事者間で、同じ種類の通貨の異なる種類の金利を一定期間交換する取引を、金利スワップという。

適切です。

金利スワップは、同じ通貨で金利のみを交換する取引です。

元本部分の交換は行いません。

 

例えば、「円通貨における変動金利と固定金利の交換」等があります。

選択肢3. 先物取引は、将来のあらかじめ定められた期日に、特定の商品(原資産)を現時点で取り決めた価格で売買することを約束する取引である。

適切です。

先物取引は、「将来の期日」における売買を「現時点」の値段で約束する取引です。

 

将来、価格が変動した場合も契約時に決めた価格で売買します。

選択肢4. オプション取引では、プット・オプションの買い手は、満期日において原資産の市場価格が権利行使価格よりも低い場合、通常、「権利行使価格で売る権利」を放棄することになる。

不適切です。

プット・オプションは、あらかじめ決めた価格(権利行使価格)で将来売ることができる権利です。

 

満期日において、市場価格<権利行使価格である場合は、高く売れるため権利放棄はしません。

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03

金融派生商品に関する問題は難しい範囲ですが、新NISAが始まり投資への関心が高まっているため、比較的出題されやすい時期ではあります。

苦手な方は無理に詳しくなりすぎる必要はないですが、覚えておくことで得点源になる可能性があります。

金融の分野が得意な方や経験者は、しっかり点を取れるようにしておくと良いでしょう。

また今回は比較的テキストに掲載されている標準内容なので、余裕があればしっかり解けるようにしましょう。

細かいところではなく、それぞれの金融派生商品はどんな性質のものかだけでも理解しておくと解きやすくなります。

選択肢1. 取引の当事者間で、異なる種類の通貨について、元本を交換せずに金利のみを一定期間交換する取引を、クーポンスワップという。

適切

スワップとは「交換する」という意味です。

これはさまざまなスワップ取引にも使われる用語なので、覚えておきましょう。

 

クーポンスワップとは、通貨スワップの中の1種です。

通貨スワップとは、違う通貨をあらかじめ決められたレートで交換する取引のことです。

その中でもクーポンスワップとは、元本は交換せず、金利のみを交換する取引です。

選択肢2. 取引の当事者間で、同じ種類の通貨の異なる種類の金利を一定期間交換する取引を、金利スワップという。

適切

金利スワップとは、文字通り「金利を交換する」取引のことです。

同じ通貨の変動金利と固定金利を交換する取引で、元本の取引はありません。

 

クーポンスワップと字面が似ていますが、以下の違い・注意に気を付けて判断しましょう。

〇クーポンスワップ

・違う通貨の利息を交換

例:米ドルの利息と日本円の利息の交換

〇金利スワップ

・同じ通貨の金利を交換

例:同じ通貨の変動金利と固定金利を交換(固定金利同士の交換はない)

選択肢3. 先物取引は、将来のあらかじめ定められた期日に、特定の商品(原資産)を現時点で取り決めた価格で売買することを約束する取引である。

適切

先物取引とは、将来の決まった日に、決めておいた値段で商品を売買する契約をする取引のことです。

そのため将来に値段の変動があっても、決められた値段で購入することが可能です。

もし将来買いたいものが値上がりしたとしても、購入しなければなりません。

 

オプション取引との違いは、オプション取引は購入する権利を売買することです。

なのでもし商品が値上がりした場合は、その購入する権利を放棄することができます。

一方先物取引は、商品の売買の契約の取引なので、基本的にキャンセルすることができません。

選択肢4. オプション取引では、プット・オプションの買い手は、満期日において原資産の市場価格が権利行使価格よりも低い場合、通常、「権利行使価格で売る権利」を放棄することになる。

不適切

オプション取引とは、将来の決まった日に、決めておいた値段で買ったり売ったりすることができる権利を売買する取引です。

権利というのがキーワードです。
また、買い手は有利なときだけ権利を行使し、売り手は買い手が望めば必ず応じる義務を持ちます。
 

そしてプット・オプション将来に決めた値段で売ることができる権利のことです。

なのでプット・オプションの買い手とは、将来に決めた値段で決めれた商品売ることができる権利を買ったことになります。

そのため、満期日に権利行使価格よりも安くなったということは、最初に100円で売ると決め商品を、市場では50円で売買しているイメージです。

市場価格よりも高く売ることができるので、権利行使価格で売る権利は放棄するのではなく、行使することで利益がでます

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