2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2024年5月
問30 (学科 問30)

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問題

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)試験 2024年5月 問30(学科 問30) (訂正依頼・報告はこちら)

金融商品の取引等に係る各種法令に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 消費者契約法において、消費者が事業者の一定の行為により誤認または困惑し、それによって消費者契約の申込みまたは承諾の意思表示をしたときは、消費者はこれを取り消すことができるとされている。
  • 消費者契約法において、契約の解除に伴って消費者が支払う損害賠償の額を予定し、または違約金を定める消費者契約の条項は、すべて無効になるとされている。
  • 金融商品取引法において、株式の信用取引を行うに当たっては、新規建時の委託保証金率が30%以上必要とされ、かつ、最低委託保証金は100万円とされている。
  • 金融商品取引法において、投資助言業務を行う金融商品取引業者等は、原則として、その助言を受けた取引により生じた顧客の損失を補てんし、またはその助言を受けた取引により生じた顧客の利益に追加するため、当該顧客に対して財産上の利益を提供することができるとされている。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は金融商品の関連法規における内容です。

代表的なものは金融サービス提供法、消費者契約法、

金融商品取引法などが出題されます。

金融サービス提供法と消費者契約法は両方を適用できるなどの特徴があり

法令ごとの関連性も理解する必要があります。

選択肢1. 消費者契約法において、消費者が事業者の一定の行為により誤認または困惑し、それによって消費者契約の申込みまたは承諾の意思表示をしたときは、消費者はこれを取り消すことができるとされている。

適切

消費者契約法は消費者保護を目的とした法律です。

消費者は個人が対象となるため、法人は対象外となります。

販売する事業者の不適切な行為により重要事項も誤認または困惑して

契約した場合はその契約を取り消すことができます。

選択肢2. 消費者契約法において、契約の解除に伴って消費者が支払う損害賠償の額を予定し、または違約金を定める消費者契約の条項は、すべて無効になるとされている。

不適切

消費者契約法において、消費者が契約の開場に伴う違約金や

損害賠償金を支払う条項がある場合、

その損害額が平均的なものを超えた場合に超えた部分のみ無効となります。

全てが無効になるわけでは無いため不適切です。

選択肢3. 金融商品取引法において、株式の信用取引を行うに当たっては、新規建時の委託保証金率が30%以上必要とされ、かつ、最低委託保証金は100万円とされている。

不適切

金融商品取引法は金融商品の取り扱いや販売に関する行為規則を定めることにより、

投資家を保護するための法律です。

信用取引において委託保証金は30万円以上かつ株式の30%(時価)が必要になります。

 

※信用取引

現金や株式を担保として、証券会社から資金や株式を借りて株式の売買を行うことです。

選択肢4. 金融商品取引法において、投資助言業務を行う金融商品取引業者等は、原則として、その助言を受けた取引により生じた顧客の損失を補てんし、またはその助言を受けた取引により生じた顧客の利益に追加するため、当該顧客に対して財産上の利益を提供することができるとされている。

不適切

金融商品取引法において、

助言をを受けた取引による投資家への損失補填行為は禁止されています。

また、顧客の利益を増やす目的の財産提供も禁止されています。

参考になった数9

02

この問題では、消費者契約法と金融商品取引法について問われています。

選択肢1. 消費者契約法において、消費者が事業者の一定の行為により誤認または困惑し、それによって消費者契約の申込みまたは承諾の意思表示をしたときは、消費者はこれを取り消すことができるとされている。

適切です。

消費者契約法において、消費者が誤認や困惑をした状態で契約した場合は、あとから取り消すことが可能です。

 

例として、事実と違う説明を信じてしまった場合や、事業者の強い言動によって冷静な判断ができなかった場合、などが挙げられます。

選択肢2. 消費者契約法において、契約の解除に伴って消費者が支払う損害賠償の額を予定し、または違約金を定める消費者契約の条項は、すべて無効になるとされている。

不適切です。

違約金を定める消費者契約は、平均的な損害額を超える部分が無効になるとされます。

 

合理的な範囲なら有効なので、すべて無効になることはありません。

選択肢3. 金融商品取引法において、株式の信用取引を行うに当たっては、新規建時の委託保証金率が30%以上必要とされ、かつ、最低委託保証金は100万円とされている。

不適切です。

信用取引は、証券会社からお金を借りて行う取引です。

 

株式の信用取引には、以下の制限があります。

・委託保証金率:30%以上

 (最低限必要な自己資金割合)

 

最低委託保証金:30万円以上

 最低限必要な保証金)

 

つまり、100万円の株の購入を希望する場合、最低30万円(30%)は自己資金で用意する必要があります。

選択肢4. 金融商品取引法において、投資助言業務を行う金融商品取引業者等は、原則として、その助言を受けた取引により生じた顧客の損失を補てんし、またはその助言を受けた取引により生じた顧客の利益に追加するため、当該顧客に対して財産上の利益を提供することができるとされている。

不適切です。

投資助言業務を行う業者等は、助言によって生じた損失の補てんや利益の上乗せをしてはいけません。

参考になった数1

03

金融商品の取引に関する法令は頻出です。

いくつか出題されやすいものがありますが、今回はその中でも出題が特殊です。

答えとなる選択肢以外は、テキストに掲載されていないものも多いです。

今回のように難しい選択肢があった場合は、まずは自分が知っている知識で、選択肢を減らせるようにしましょう。

そうすることで、より正解の確率が上がります。

FP試験の金融は特に時代の流れに敏感な科目です。

分からないことがあったとしても、基本的にはよく読んで選択肢を減らすことはできるようになっています。

選択肢1. 消費者契約法において、消費者が事業者の一定の行為により誤認または困惑し、それによって消費者契約の申込みまたは承諾の意思表示をしたときは、消費者はこれを取り消すことができるとされている。

適切

消費者契約法とは、金融商品に関するトラブルから投資家や消費者を保護する法律の1つで、消費者と事業者間での契約全般が対象となります。

対象となるのは個人のみで、消費者契約法に抵触すると、消費者はその契約を取り消すことができます

適用されるケースの一例は以下の通りです。

・消費者に不利益となる事実を告知しなかった

・断定的判断をして勧誘をした場合

 

また消費者契約法と合わせて覚えておきたいのが「金融サービス提供法(金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律)」があります。

特徴は以下の通りです。

・金融サービス提供にかかるすべてが対象(一部対象外あり)

・保護の対象は、個人および法人

・説明義務違反、断定的判断があった場合、業者は損害賠償を負う

選択肢2. 消費者契約法において、契約の解除に伴って消費者が支払う損害賠償の額を予定し、または違約金を定める消費者契約の条項は、すべて無効になるとされている。

不適切

消費者契約法において契約を解除する際に、契約に消費者が損害賠償を支払うことが記載された条項が書かれていることもあります。

条項があらかじめ定められていた場合、不当に高額であったり合理的でない場合は、その金額を超えた部分が無効となります。

消費者が支払う損害賠償の額は、全額が無効にはなりません。

選択肢3. 金融商品取引法において、株式の信用取引を行うに当たっては、新規建時の委託保証金率が30%以上必要とされ、かつ、最低委託保証金は100万円とされている。

不適切

金融商品取引法とは、金融商品の取引に関する法律です。

有価証券だけでなく、デリバティブ取引や先物取引、FX取引、外貨建ての保険、複雑な仕組債、外貨預金にも適用されます。

 

株式の信用取引を行うにあたって、新規建時の委託保証金率は30%以上必要とされ、かつ、最低委託保証金は30万円以上です。

選択肢4. 金融商品取引法において、投資助言業務を行う金融商品取引業者等は、原則として、その助言を受けた取引により生じた顧客の損失を補てんし、またはその助言を受けた取引により生じた顧客の利益に追加するため、当該顧客に対して財産上の利益を提供することができるとされている。

不適切

金融商品取引法において、いくつかポイントがあり、以下の通りです。

①適合性の原則

顧客の投資経験や知識、資金などさまざまな要因を加味して、投資目的と合わない商品を勧誘してはならない

②説明義務

契約締結前交付書面や交付目論見書などを事前に渡し、商品概要・リスク・費用などの投資をするうえで重要なことをしっかり説明しなければならない

※投資家を一般投資家(アマ)と特定投資家(プロ)を分類し、特定投資家に該当すれば、説明義務を果たす必要はない(特定投資家制度)

③断定的判断の提供による勧誘の禁止

「必ず儲かる」などの断定的な言動による勧誘はしてないならない

④損失補てんの禁止

顧客の損失を補てんすることは、たとえ約束だけでもしてはならない

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