2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2025年5月(CBT)
問60 (学科 問60)

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問題

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)試験 2025年5月(CBT) 問60(学科 問60) (訂正依頼・報告はこちら)

非上場企業の事業承継対策等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • 株式の発行会社が、経営者以外の少数株主が保有する自社株式を買い取ることにより、当該会社の株式の分散を防止または抑制することができる。
  • 経営者への役員退職金の原資を準備する方法として、契約者(=保険料負担者)および死亡保険金受取人を法人、被保険者を経営者とする終身保険などの生命保険に加入することが考えられる。
  • 「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」の適用を受けるためには、特例承継計画を策定して、所定の期限までに都道府県知事に提出し、その確認を受ける必要がある。
  • 「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」の適用を受ける場合、当該非上場株式等の贈与について相続時精算課税制度を選択することはできない。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は非上場企業の事業承継対策などに関して問われています。

選択肢1. 株式の発行会社が、経営者以外の少数株主が保有する自社株式を買い取ることにより、当該会社の株式の分散を防止または抑制することができる。

適切です。

株式が発行会社が経営者以外の少数株主の保有する自社株式を買い取ることにより、少数株主は売却益を得ることができます。

少数株主は利益を得ることができ、経営者が株主となります。

従って少数株主との対立を回避することができ、当該会社の株式の分散を防止、または抑制することができます。

選択肢2. 経営者への役員退職金の原資を準備する方法として、契約者(=保険料負担者)および死亡保険金受取人を法人、被保険者を経営者とする終身保険などの生命保険に加入することが考えられる。

適切です。

経営者が在任中に万が一のことがあった場合は会社の運転資金や遺族の生活費や相続税の納税資金を確保するために終身保険に加入することが一般的です。

選択肢3. 「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」の適用を受けるためには、特例承継計画を策定して、所定の期限までに都道府県知事に提出し、その確認を受ける必要がある。

適切です。

「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」は一般措置と特例措置があります。

特例措置の方が一般措置より納税猶予の対象となる株の制限や納税猶予割合の引き上げがされているなどの違いがあります。

その為、特例承継計画の提出が必要となってきます。

 

 

 一般措置特例措置
事前の計画策定等不要

特例承継計画の提出

2026年3月31日まで

適用期限なし

2027年12月31日までの

贈与・相続

対象株数

総株式数の最大

3分の2

全株式
納税猶予割合

贈与:100%

相続:80%

100%

 

承継パターン

複数の株主から

1人の後継者

複数の株主から

最大3人の後継者

雇用確保要件

承継後5年間、

平均8割の雇用維持が必要

弾力化

事業の困難な事由が

生じた場合の免除

なしあり
相続精算課税制度の適用

60歳以上の者から

18歳以上の推定相続人・

孫への贈与

60歳以上の者から

18歳以上の者への贈与

選択肢4. 「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」の適用を受ける場合、当該非上場株式等の贈与について相続時精算課税制度を選択することはできない。

不適切です。

非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」の適用を受ける場合、

当該非上場株式等の贈与について相続時精算課税制度を選択することができます。

一般措置と特例措置で相続時精算課税制度の適用範囲が異なりますので注意しましょう。

 一般措置特例措置
事前の計画策定等不要

特例承継計画の提出

2026年3月31日まで

適用期限なし

2027年12月31日までの

贈与・相続

対象株数

総株式数の最大

3分の2

全株式
納税猶予割合

贈与:100%

相続:80%

100%

 

承継パターン

複数の株主から

1人の後継者

複数の株主から

最大3人の後継者

雇用確保要件

承継後5年間、

平均8割の雇用維持が必要

弾力化

事業の困難な事由が

生じた場合の免除

なしあり
相続精算課税制度の適用

60歳以上の者から

18歳以上の推定相続人・

孫への贈与

60歳以上の者から

18歳以上の者への贈与

 

まとめ

非上場株式等の事業承継対策は贈与だけでなく、相続の場合も特例があります。

混在しないよう、それぞれの違いを押さえましょう。

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02

非上場企業の事業承継対策等に関する問題です。

 

選択肢1. 株式の発行会社が、経営者以外の少数株主が保有する自社株式を買い取ることにより、当該会社の株式の分散を防止または抑制することができる。

適切

記載の通り、株式の発行会社が、経営者以外の少数株主が保有する自社株式を買い取ることにより、当該会社の株式の分散を防止または抑制することができます。

 

選択肢2. 経営者への役員退職金の原資を準備する方法として、契約者(=保険料負担者)および死亡保険金受取人を法人、被保険者を経営者とする終身保険などの生命保険に加入することが考えられる。

適切

記載の通り、契約者および死亡保険金受取人を法人、被保険者を経営者とする終身保険などの生命保険に加入することで、その解約返戻金を役員退職金の原資として活用することができます。

 

選択肢3. 「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」の適用を受けるためには、特例承継計画を策定して、所定の期限までに都道府県知事に提出し、その確認を受ける必要がある。

適切

記載の通り、「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」の適用を受けるためには、特例承継計画を策定して、所定の期限までに都道府県知事に提出し、その確認を受ける必要があります。

 

選択肢4. 「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」の適用を受ける場合、当該非上場株式等の贈与について相続時精算課税制度を選択することはできない。

不適切

「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」の適用を受ける場合においても、相続時精算課税制度を併用することができます。

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