2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2026年5月(CBT)
問32 (タックスプランニング 問2)

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問題

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)試験 2026年5月(CBT) 問32(タックスプランニング 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

所得税における各種所得に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 会社の役員が役員退職金を一時金として受け取ったことによる所得は、給与所得となる。
  • 個人年金保険の契約者(=保険料負担者)である個人が、その保険契約に基づく年金を、年金形式に代えて一括で受け取ったことによる所得は、退職所得となる。
  • 賃貸の用に供している土地を所有する個人が、当該土地を売却したことによる所得は、不動産所得となる。
  • 専業主婦が金地金を売却したことによる所得は、譲渡所得となる。

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この過去問の解説 (2件)

01

タックスプランニング分野から、各種所得の所得税に関する問題です。
所得は、どのような収入かによって、下記の10種類に分類されます。
①利子所得②配当所得③不動産所得④事業所得⑤給与所得
⑥退職所得⑦山林所得⑧譲渡所得⑨一時所得⑩雑所得

選択肢1. 会社の役員が役員退職金を一時金として受け取ったことによる所得は、給与所得となる。

不適切
一時金として受け取った役員退職金は、退職所得となります。
役員の退職金か否かで、所得の種類は変わりません。

選択肢2. 個人年金保険の契約者(=保険料負担者)である個人が、その保険契約に基づく年金を、年金形式に代えて一括で受け取ったことによる所得は、退職所得となる。

不適切
個人年金保険を一括で受け取った場合は、原則として、一時所得になります。
ちなみに、年金形式で受け取った場合は、原則として、雑所得となります。
なお、保険料負担者と年金受取人が異なる場合、原則として贈与税の対象となります。

選択肢3. 賃貸の用に供している土地を所有する個人が、当該土地を売却したことによる所得は、不動産所得となる。

不適切
不動産所得とは、土地の賃料や家賃収入など、不動産の貸付による所得をいいます。
本選択肢のように土地の売却による所得は、譲渡所得となります。

選択肢4. 専業主婦が金地金を売却したことによる所得は、譲渡所得となる。

適切
本選択肢のように、事業性がない個人が金地金を売却したことによる所得は、譲渡所得になります。

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02

「退職金だから退職所得」「不動産に関する所得だから不動産所得」――こうした名前どおりの思い込みで解答すると、この問題では足をすくわれます。所得の種類は、お金の名目や資産の種類ではなく、それがどのような経緯で発生したお金なのかによって区分が決まります。4つの記述それぞれについて、実際にはどの所得区分に当たるのかを確認していきましょう。

選択肢1. 会社の役員が役員退職金を一時金として受け取ったことによる所得は、給与所得となる。

役員退職金を一時金として受け取ったことによる所得は、給与所得ではなく退職所得に区分されます。退職所得は、退職により勤務先から一時に受ける給与およびこれに類する性質の給与による所得と定義されており、勤続年数に応じた退職所得控除を差し引いた残額の2分の1を課税対象とする、給与所得とは異なる計算方法が適用されます。ただし役員の場合は注意が必要で、役員等としての勤続年数が5年以下の人が受け取る退職手当等は特定役員退職手当等に当たり、2分の1を掛ける処理が使えません。それでも退職所得であること自体は変わらないので、給与所得とする本記述は誤りです。

選択肢2. 個人年金保険の契約者(=保険料負担者)である個人が、その保険契約に基づく年金を、年金形式に代えて一括で受け取ったことによる所得は、退職所得となる。

個人年金保険を年金形式に代えて一括で受け取った場合の所得は、退職所得ではなく一時所得です。年金として毎年受け取る場合は雑所得になりますが、将来の年金給付の総額に代えて一括で受け取る場合は、一時的・偶発的な所得としての性質が強く、一時所得として扱われます。退職所得とする本記述は誤りです。

選択肢3. 賃貸の用に供している土地を所有する個人が、当該土地を売却したことによる所得は、不動産所得となる。

不動産所得は、あくまで不動産を他人に貸し付けたことによって生じる地代や家賃などの所得を指します。土地そのものを売却したことによる所得は、貸付けによる継続的な収入ではなく資産の譲渡による一時的な利益なので、不動産所得ではなく譲渡所得に区分されます。賃貸中だった土地であっても、売却した時点の所得は譲渡所得として扱われるため、この記述は誤りです。

選択肢4. 専業主婦が金地金を売却したことによる所得は、譲渡所得となる。

金地金の売却による所得は、事業として継続的に売買を行っている場合などを除き、譲渡所得に区分されます。所有期間が5年以内であれば短期譲渡所得、5年を超えていれば長期譲渡所得として扱われ、専業主婦であるかどうかや金地金という資産の種類そのものは所得区分の判断に影響しません。制度の内容と過不足なく一致しており、これが本問の正解です。

まとめ

各種所得の区分は、お金の名目ではなく発生の経緯で決まります。役員退職金は給与所得ではなく退職所得、個人年金保険の一括受取は退職所得ではなく一時所得、賃貸中の土地の売却は不動産所得ではなく譲渡所得です。名目にとらわれずそれぞれの発生経緯を見比べれば、金地金を売却した所得だけが譲渡所得という説明と実際の区分とが一致しており、この記述が制度に沿った内容だと分かります。

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