2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2026年5月(CBT)
問35 (タックスプランニング 問5)

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問題

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)試験 2026年5月(CBT) 問35(タックスプランニング 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

所得税における住宅借入金等特別控除(以下、「住宅ローン控除」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要な要件等はすべて満たしているものとする。
  • 住宅ローン控除の適用を受けている者が、住宅ローンの一部繰上げ返済を行い、借入金の返済期間が最初に返済した月から10年未満となった場合であっても、残りの控除期間について住宅ローン控除の適用を受けることができる。
  • 住宅ローン控除の適用を受けていた者が、転勤に伴う転居等のやむを得ない事由により、住宅を居住の用に供しなくなった場合に、翌年以降に再び当該住宅を居住の用に供したときは、原則として、再入居した年以後の控除期間内について住宅ローン控除の適用を受けることができる。
  • 年末調整の対象となる給与所得者であっても、住宅ローン控除の適用を受ける最初の年分は、一定の書類を添付した確定申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
  • 住宅ローン控除の控除額が所得税額から控除しきれない場合、その残額が、一定額を限度として翌年度分の住民税額から控除される。

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この過去問の解説 (2件)

01

タックスプランニング分野から、住宅ローン控除に関する問題です。
住宅ローン控除とは、年末の住宅ローン残高を基に計算した一定額を、所得税額から控除する制度です。

所得税から控除しきれない場合は、一定額を限度として翌年度の住民税から控除されます。

選択肢1. 住宅ローン控除の適用を受けている者が、住宅ローンの一部繰上げ返済を行い、借入金の返済期間が最初に返済した月から10年未満となった場合であっても、残りの控除期間について住宅ローン控除の適用を受けることができる。

不適切
住宅ローン控除の適用要件として「10年以上にわたり分割して返済する方法になっている新築等のための一定の借入金または債務があること」があります。
(引用:国税庁HP「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」)
つまり、住宅ローンの一部繰り上げ返済を行った結果、返済期間が10年未満となった場合、住宅ローン控除の適用外となります。

選択肢2. 住宅ローン控除の適用を受けていた者が、転勤に伴う転居等のやむを得ない事由により、住宅を居住の用に供しなくなった場合に、翌年以降に再び当該住宅を居住の用に供したときは、原則として、再入居した年以後の控除期間内について住宅ローン控除の適用を受けることができる。

適切
住宅ローン控除を受ける居住要件として、「取得日から6カ月以内に居住開始、控除を受ける年の12月31日までに引き続き居住していること」が必要です。
転勤等のやむを得ない事情により一時的に居住しなくなった場合でも、その年以降の控除を受けることができません。

ただし、一定の要件を満たして再入居したときは、残りの控除期間について住宅ローン控除の再適用を受けることができます。

選択肢3. 年末調整の対象となる給与所得者であっても、住宅ローン控除の適用を受ける最初の年分は、一定の書類を添付した確定申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。

適切
給与所得者が住宅ローン控除の適用を受けようとした場合、初年度に限り確定申告が必要です。
一般的に、2年目以降は年末調整によって控除が受けられます。

選択肢4. 住宅ローン控除の控除額が所得税額から控除しきれない場合、その残額が、一定額を限度として翌年度分の住民税額から控除される。

適切
住宅ローン控除額が所得税額を上回り、所得税から控除しきれない場合、その額を翌年度の住民税から控除されます
ただし、控除される住民税には上限がある点、注意が必要です。

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02

住宅ローン控除には「返済期間10年以上の借入金であること」という要件があります。この10年という数字は、借りた時点だけでなく返済の途中でも意識しておく必要があり、繰上げ返済によって条件を割り込んでしまうケースが実務でもよく起こります。転勤による一時的な非居住、確定申告と年末調整の使い分け、控除しきれなかった分の住民税への繰越しとあわせて、4つの記述を確認していきましょう。

選択肢1. 住宅ローン控除の適用を受けている者が、住宅ローンの一部繰上げ返済を行い、借入金の返済期間が最初に返済した月から10年未満となった場合であっても、残りの控除期間について住宅ローン控除の適用を受けることができる。

住宅ローン控除は、返済期間が10年以上の割賦償還の方法によることが要件の1つになっています。この判定は借入れ当初の契約内容だけで固定されるわけではなく、繰上げ返済をした後の返済期間で改めて判定します。具体的には、当初の契約で定められていた最初に返済した月から、繰上げ返済によって短くなった後の最終返済月までの期間で判定するため、この期間が10年未満になってしまうと、その要件を満たさなくなった年以後は住宅ローン控除の適用を受けることが出来なくなります。それにもかかわらず引き続き控除を受けられるとする本記述は、制度の内容と正反対であり誤りです。これが本問の正解です。

選択肢2. 住宅ローン控除の適用を受けていた者が、転勤に伴う転居等のやむを得ない事由により、住宅を居住の用に供しなくなった場合に、翌年以降に再び当該住宅を居住の用に供したときは、原則として、再入居した年以後の控除期間内について住宅ローン控除の適用を受けることができる。

転勤の命令など、やむを得ない事由により一時的にその住宅に住めなくなった場合でも、控除期間の全体が失われるわけではありません。居住しなくなる前に所定の届出書を税務署に提出しておくなど一定の要件を満たしていれば、再びその住宅に居住した年以後の残りの控除期間について、住宅ローン控除の適用を再開することが認められています。転勤という事情を踏まえた救済的な取扱いがそのまま説明されており、この記述は適切です。

選択肢3. 年末調整の対象となる給与所得者であっても、住宅ローン控除の適用を受ける最初の年分は、一定の書類を添付した確定申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。

住宅ローン控除は、初めて適用を受ける年分については給与所得者であっても確定申告が必要です。借入金の残高証明書や登記事項証明書、契約書の写しなど一定の書類を添付した確定申告書を提出することで、税務署側が控除の適用要件を確認出来る仕組みになっています。2年目以降は年末調整で処理出来るようになりますが、初年度に限っては年末調整だけでは完結しないというこの記述は、実際の手続きと一致しており適切です。

選択肢4. 住宅ローン控除の控除額が所得税額から控除しきれない場合、その残額が、一定額を限度として翌年度分の住民税額から控除される。

所得税額から住宅ローン控除の金額を引ききれなかった場合、その引ききれなかった残額は、一定の上限額の範囲内で翌年度分の個人住民税額から控除される仕組みになっています。所得税だけで控除枠が余ってしまう人にも実質的な減税効果が及ぶようにする調整の仕組みで、控除額全額が無制限に住民税から差し引かれるわけではなく上限が設けられている点も含めて、本記述は適切な内容です。

まとめ

住宅ローン控除で見落としやすいのは、返済期間10年以上という要件が借入れ当初だけでなく繰上げ返済後の期間でも判定され続けるという点です。当初の最初の返済月から繰上げ返済後の最終返済月までの期間が10年未満になった年以後は、その時点で控除の適用が打ち切られます。一方で転勤による一時的な非居住には再入居後の再適用という救済があり、初年度の確定申告の必要性や、控除しきれない分の住民税への繰越しも含めて、それぞれ独立した細かいルールとして押さえておくと得点につながります。

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