2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2026年5月(CBT)
問38 (タックスプランニング 問8)
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問題
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)試験 2026年5月(CBT) 問38(タックスプランニング 問8) (訂正依頼・報告はこちら)
- 会社が役員に無利息で金銭の貸付を行った場合、原則として、通常収受すべき利息に相当する金額が、その会社の所得金額の計算上、益金の額に算入される。
- 会社が役員からの借入金について債務免除を受けた場合、その債務免除を受けた金額が、その会社の所得金額の計算上、益金の額に算入される。
- 会社が役員から土地を無償で譲渡された場合、その土地の適正な時価の2分の1相当額が、その会社の所得金額の計算上、益金の額に算入される。
- 役員が会社から土地を適正な時価よりも低い価額で譲渡された場合、その適正な時価と譲受価額との差額が、その役員の給与所得の収入金額に算入される。
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この過去問の解説 (2件)
01
タックスプランニング分野から、会社と役員間の税務に関する問題です。
適切
会社が役員に無利子または低利息で貸し付けを行った場合、本来受け取るべき利息相当金額との差額を益金算入します。
また、役員は、本来支払うべき利息との差額を経済的利益を受けたものとみなされ、原則として給与所得として課税されます。
適切
会社が役員からの借入金について債務免除を受けた場合とは、本来返済すべき借入金がなくなった状態となります。
返済すべき借入金が免除されたことで、その免除額に相当する利益を得たものとして、益金に算入されます。
不適切
役員から土地を無償で譲渡された場合、法人は土地の時価相当額を受贈益として益金に算入します。
役員は、譲渡額によって、取り扱いが異なります。
・時価の2分の1未満の価格で譲渡した場合
→原則として、時価額が譲渡所得の収入金額
・時価の2分の1以上で譲渡した場合
→譲渡価額が譲渡所得の収入金額
適切
役員が、会社から資産を低価格で譲渡された場合、適正な時価との差額は利益を得たものとみなされ、役員給与として課税されます。
ちなみに、低額譲渡した法人は、時価との差額を役員給与とし、原則として損金不算入とします。
時価と譲渡価額という言葉が出てきましたので、その違いを整理しておきましょう。
・時価
→その時点における適正な取引価格
・譲渡価額
→実際に資産を譲渡した際の価格
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02
この問題で一番の落とし穴になっているのは、個人の譲渡所得で登場する「時価の2分の1」という数字を、会社側の益金計算にそのまま持ち込んでしまう混同です。所得税法には低額譲渡があったとみなされる基準として時価の2分の1未満という線引きが出てきますが、これは個人が資産を譲渡する側にいる場面のルールであり、会社が資産を無償で受け取る側にいる場面の益金算入額とは別物です。無利息貸付、債務免除、無償による譲受け、そして低額譲渡という4つの場面を、会社側と役員側それぞれの視点から確認していきます。
会社が役員にお金を無利息で貸し付けると、本来受け取れたはずの利息を受け取らなかったことになります。税務上はこれを、いったん通常の利率で利息を受け取り、その全額を役員に対する経済的利益として供与したものとみなして扱います。実際に現金の動きがなくても、通常収受すべき利息に相当する金額を会社側の益金に算入するというこの記述は、いわゆる認定利息の考え方どおりで、適切な内容です。
役員から会社が借りていたお金について、役員側が返済を求めない意思表示をして債務を免除すると、会社側では返済義務がなくなった分だけ実質的に得をしたことになります。これは債務免除益と呼ばれ、その免除を受けた金額がそのまま会社の益金に算入されます。借入金という負債が消滅したことで生じる利益をそのまま課税対象にするという内容であり、正しい記述です。
会社が役員から土地を無償で譲り受けた場合、その土地の適正な時価に相当する金額の全額が受贈益として会社の益金に算入されます。法人税法では、資産の無償による譲受けについても、その時の価額に基づく収益として益金の額に算入すると定められており、2分の1に減額する規定は存在しません。時価の2分の1という基準は、個人が法人に対して資産を著しく低い価額で譲渡した場合に、時価で譲渡があったものとみなして個人側に課税するかどうかを判定する所得税法上の別のルールです。譲渡する個人の側の話であって、会社が無償で資産を受け取った場合の益金算入額には当てはまりません。全額ではなく2分の1相当額とする本記述は誤りで、これが本問の正解です。
時価より低い価額で会社から土地の譲渡を受けた役員は、本来支払うべき金額より安く資産を手に入れたことになります。この差額は役員が会社から受けた経済的な利益に当たり、会社との雇用関係や委任関係に基づいて生じたものとして、給与所得の収入金額に算入されます。役員報酬を金銭ではなく資産の値引きという形で受け取ったのと同じ効果があるという整理で、この記述は適切な内容です。
会社が役員に無利息で貸し付けた場合の認定利息、役員からの債務免除を受けた場合の債務免除益、役員に資産を低額譲渡した場合の役員側の給与所得算入は、いずれも記述のとおりの取扱いでした。これに対して、会社が役員から資産を無償で譲り受けた場合の益金算入額は、時価の2分の1ではなく全額です。個人の低額譲渡課税で使う2分の1という基準を、会社側の受贈益の場面に流用してしまうと誤った結論に至ります。
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