2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2026年5月(CBT)
問43 (不動産 問3)

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問題

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)試験 2026年5月(CBT) 問43(不動産 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

借地借家法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、同法第22条の借地権を一般定期借地権といい、第23条の借地権を事業用定期借地権等という。
  • 一般定期借地権を設定する場合、その存続期間を30年とすることができる。
  • 事業の用に供する建物の所有を目的として、一般定期借地権を設定することはできない。
  • 事業用定期借地権等の設定を目的とする契約は、書面によってなされたものであれば有効であり、公正証書によってする必要はない。
  • 第三者が賃借権の目的である土地の上の建物を取得した場合において、借地権設定者が賃借権の譲渡または転貸を承諾しないときは、その第三者は、借地権設定者に対し、当該建物の買取りを請求することができる。

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この過去問の解説 (2件)

01

不動産分野から、借地借家法に関する問題です。
借地借家法とは、土地や建物の賃貸借について、借主(借地人・借家人)の保護を図るために定められた法律です。
本問では、借地権について問われています。
 

選択肢1. 一般定期借地権を設定する場合、その存続期間を30年とすることができる。

不適切
定期借地権とは、契約の更新がない借地権のことであり、主として3種類あります。
それぞれの比較は、下記の表の通りです。


一般定期借地権の存続期間は、50年以上です。
存続期間を50年未満とする借地権を設定しても、その期間は50年とされます。

選択肢2. 事業の用に供する建物の所有を目的として、一般定期借地権を設定することはできない。

不適切
一般定期借地権と建物譲渡付借地権は、建物の用途に制限がないため、事業用建物の所有を目的とし設定することも可能です。
事業用定期借地権は、事業用建物の所有目的のみ設定可能です。

選択肢3. 事業用定期借地権等の設定を目的とする契約は、書面によってなされたものであれば有効であり、公正証書によってする必要はない。

不適切
事業用定期借地権等の契約は、公正証書によってしなければなりません。
一般定期借地権は書面(公正証書でなくてもよい)で契約する必要があり、建物譲渡特約付借地権には制限がありません。

選択肢4. 第三者が賃借権の目的である土地の上の建物を取得した場合において、借地権設定者が賃借権の譲渡または転貸を承諾しないときは、その第三者は、借地権設定者に対し、当該建物の買取りを請求することができる。

適切
本選択肢を言い換えると、「建物を取得した第三者が、その土地を借り続けることについて地主(借地権設定者)の承諾を得られない場合、第三者は地主(借地権設定者)に対して建物の買取を請求することができます」となります。
これを建物買取請求権といいます。
つまり、第三者は建物を取得しても地主の承認がないと借地権を利用できないため、その代わり建物の買取りを請求できるのです。

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02

定期借地権はすべて公正証書で契約しなければならない、と思い込んでいる人は少なくありません。しかし借地借家法が定める定期借地権にはいくつかの種類があり、契約方式や存続期間の要件は種類ごとに異なります。本問は同法第22条の一般定期借地権と第23条の事業用定期借地権等を対象にしていますが、この2つを同じルールで扱ってしまうと足元をすくわれます。存続期間の下限、用途制限の有無、契約方式の3点を、条文に沿って整理していきましょう。

選択肢1. 一般定期借地権を設定する場合、その存続期間を30年とすることができる。

一般定期借地権は、存続期間を50年以上として設定する借地権です。契約の更新がなく、建物の築造による存続期間の延長もなく、建物買取請求権も行使しないという、借地人に不利な特約を認める代わりに、借地人には50年以上という長い存続期間を保障する仕組みになっています。30年という期間はこの50年以上という要件を満たしておらず、一般定期借地権として設定することは出来ません。存続期間の下限を下回る年数を挙げている本記述は不適切です。

選択肢2. 事業の用に供する建物の所有を目的として、一般定期借地権を設定することはできない。

一般定期借地権には、借地上に建てる建物の用途を限定する規定がありません。居住用の建物であっても事業用の建物であっても、存続期間を50年以上とするなど所定の要件を満たせば、一般定期借地権を設定することが出来ます。用途を事業用に限定して排除しているのは、居住用建物を除外して30年以上50年未満で設定する事業用定期借地権等のほうであり、一般定期借地権に事業用建物の除外規定はありません。事業用建物を対象から一律に除いている本記述は不適切です。

選択肢3. 事業用定期借地権等の設定を目的とする契約は、書面によってなされたものであれば有効であり、公正証書によってする必要はない。

事業用定期借地権等を設定する契約は、公正証書によることが法律上の要件とされています。一般定期借地権の特約が「公正証書による等書面」で足りるのに対し、事業用定期借地権等はより厳格に、契約方式そのものを公正証書に限定しています。事業用定期借地権等には存続期間30年以上50年未満の類型のほかに、10年以上30年未満の類型もありますが、いずれの期間で設定する場合であっても、この公正証書という契約方式の要件は変わりません。更新がなく期間の満了で確定的に終了する借地権であることを、公証人の関与によって明確にしておく趣旨です。単なる書面で足りるとする本記述は、この契約方式の要件と食い違っており不適切です。

選択肢4. 第三者が賃借権の目的である土地の上の建物を取得した場合において、借地権設定者が賃借権の譲渡または転貸を承諾しないときは、その第三者は、借地権設定者に対し、当該建物の買取りを請求することができる。

借地上の建物を第三者が取得しても、借地権設定者が賃借権の譲渡や転貸を承諾しなければ、その第三者は借地を使う権利を引き継げません。この場合に備え、借地借家法はその第三者に対し、借地権設定者に建物を時価で買い取るよう請求出来る権利を認めています。建物を取得した第三者が権利関係の板挟みで不利益を受けないようにする規定であり、本記述はこの建物買取請求権の内容を正しく言い表しています。なお一般定期借地権の特約で排除されるのは借地権者本人が期間満了時に持つ建物買取請求権であって、第三者が持つこの権利とは条文も場面も別物です。本問の正解に当たります。

まとめ

一般定期借地権と事業用定期借地権等は、存続期間の年数も、用途制限の有無も、契約方式も異なります。一般定期借地権は存続期間50年以上で用途の制限がなく、公正証書等の書面で特約を定めれば足りるのに対し、事業用定期借地権等は居住用建物を除く事業用建物に限定され、存続期間30年以上50年未満の類型と10年以上30年未満の類型のいずれであっても、契約そのものを公正証書で結ぶ必要があります。年数と用途と契約方式をセットで比較しながら覚えると、この2つの借地権を混同しにくくなります。

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